ひょっこりひょうたん島 - Wikipedia
『ひょっこりひょうたん島』(ひょっこりひょうたんじま)とはNHK総合テレビで放送された人形劇である。
個性豊かなキャラクターたちがミュージカル形式で笑いと風刺、冒険の物語を繰り広げ本放送当時子供たちの多大な人気を得た。この番組で歌われた印象的な歌も含めて、NHK人形劇の代表的作品の一つとして数えられている。
注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。免責事項もお読みください。
[編集] ストーリー
子供たちとサンデー先生が遠足に行ったひょうたん島がひょうたん火山の噴火活動により海原へ流れ出してしまった。子供たちとサンデー先生が暮らすようになった島を訪れたへんてこな人や島の流れ着く奇妙奇天烈な所を巡って様々な事件が起きる。
[編集] 登場キャラクター
特記する人物以外はオリジナル版・リメイク版共に出演。カッコ内は声の出演。所属事務所別ではオリジナル版を中心に、テアトル・エコー所属者が多く参加している。
[編集] レギュラー
- トラヒゲが持ってきたテレビからこぼれ落ちてきた政治家。イギリカ国のドンドン市出身でひょうたん島の初代大統領となる。ことあるごとに演説を行うため周囲からは煙たがられ、また名誉欲に駆られることも多いが責任感は強い(実際にアルカジル王国で王の怒りを買ってしまった子供達に代わり自分が死刑になると名乗り出た)。
- リメイク版の声優で一番難航したのはガバチョ役で、笑福亭鶴瓶にオファーもあったという(演出の雪の1993年頃の証言による)。
- 子供たちの世話をする美人教師。情にもろく、いつも子供たちのことを心配しているため、やや教育熱心すぎるところも。反面男勝りなところもあり、薙刀は五段の腕前で怒ると手が付けられない。ダンディーのことを「ダンデーさん」と呼んでおり、彼を慕っているが本人からは苦手とされている。好物はきんぴら牛蒡。
- ひょうたん島にイカダで流れ着いた片目の海賊。膨大な物品(盗品)を所持しており、それを元手にトラヒゲデパートを経営している。がめつい性格で猛烈なケチンボ。しかしいざとなると人の良さや情のもろさが出て、なかなか金儲けはできない。一応海賊なのだが、海賊小学校を放校されたり、海賊友の会の会費を20年分滞納していたため除名されたりしている。サンデー先生に好意を持っているようだが、いつも空周りしている。最初期は自分の食料がこれ以上食べられるのが嫌だということでガバチョを嫌っていたが、後に名(迷?)コンビとなり、ガバチョからは「とらドン」と呼ばれている。また、ガバチョに代わって二回大統領に就任したことがある(一回目はクレタモラッタシリーズ、二回目はウクレレマン・ダン シリーズにて)。
- シカゴギャング出身。マシンガンから大砲、果ては水鉄砲まであらゆる飛び道具を使いこなしさらに剣術も得意。口笛もうまい。飛行機で護送される最中に脱出して傘でひょうたん島に降り立ち、そのまま住民に。上述の通り元ギャングであり、そのことを隠すため付け髭をつけていた。容貌・行動共にニヒルでクールだが情に厚い面もあり、トラヒゲの大金庫に閉じ込められた子供達(それとムマモメム)を助けるために付け髭を外し正体を明かす。後にひょうたん島の保安官になる。常にサングラスをかけている。島の中央部の丘の上で、ハンモックで昼寝をするのが楽しみ。リメイク版のアラビアンナイトの巻では、蚊がうるさかったということでピストルを撃つという物騒な面もあり。
- ライオン王国の王様だったがその生活に退屈し、ひょうたん島の住民になった人畜無害のライオン。サーカス入団希望。気が弱く、ネズミや怖いものが苦手。博士と気が合い、行動を共にすることも多い。
- トラヒゲが持ってきた大金庫に閉じ込められていた医師。医者としての腕は確かなのだが、「戦争してくれれば患者が増える」など不謹慎な発言も目立つ。笑い方は「ヘラヘッヘ」。次第に出番が少なくなり、中盤で何の説明もなく姿を消してしまう(本当はスタッフ達により「面白くないから消そう」ということで、説明なしにいきなり消された)。リメイク版では「アラビアンナイトの巻」の冒頭で博士に「島を去った」と説明されたが、詳細は語られなかった。
[編集] 子供たち
- 物語の語り手。通信簿は5段階評価でオール6、テストは1600回連続満点の記録を達成というあらゆる学問に通じた超天才少年。垂れ目の眼鏡をかけている。子供たちのリーダー的存在だが、些かペダンチックな側面があり、知識を滔々と得意げに捲くし立てて仲間から顰蹙を買うなどやや世情に疎い面もある。また、他の子供たちとは別に、ライオンと行動を共にすることもある。百科事典をすべて暗記している。なお、リメイク版第1回で最初に登場したキャラクターは彼である。
- がっしりした体格の活発な少年。かなりの力持ちで、水泳やダンプカーの運転が得意だったりとスポーツ万能だが、勉強は苦手。「雲隠れのダンプ」を名乗り忍者の技を見せるなど意外な活躍をする。
- ピーナッツの殻のような形の顔をした少年。細身の体型とは裏腹に無類の食いしん坊で、料理の名人でもある。
- 三角おむすび型の顔の少女。かなり男勝りでおてんばな性格。サンデー先生のような教師になるのが夢らしいが、その夢はコロコロ変わる。劇中に「くたばれ男の子」という歌でその心情を吐露した。
- おとなしい美少女タイプの少女。優しく看護師になるのが夢で、ムマモメムの助手をしたこともある。オリジナル版では、マジョリタンのワニ王子と結婚してレギュラーを降板した。リメイク版では島を去る描写はなく、時系列的にはそれ以降に当たるシリーズにも登場している。
- 本名はリトル・キッド。キャプテン・キッドの宝の中から出てきた男の子。大変ないたずら好き。トラヒゲや4海賊達からは「キッド坊ちゃま」と呼ばれる。レギュラーに入ったのは、オリジナル版は「魔女リカシリーズ」とリメイク版は「アラビアンナイトの巻」。
- 本名はマリー・キャッチャーネット・ランニングホーマー。C・S・ランニングホーマーの娘。レギュラーに入ったのは、オリジナル版は「アンコロピン王国シリーズ」。後に仕事が嫌になった父に代わり社長を務めるようになり、レギュラーを降板する。リメイク版には登場せず、彼女の出番はすべてプリンに置き換えられている。
[編集] オリジナル版
[編集] ライオン王国シリーズ
ライオンを国王にした一見南洋の原住民だが、実は非常に物質文明の発達したタムレ族の住む国にひょうたん島が流れ着き、住人たちとタムレ族に対立・抗争が起こる。リメイク版では「海賊の巻」のプロローグ的な扱いになり、大幅に簡略化された。
- タムレ族のリーダー。威張っているが、実はさびしがりや。民主化されたタムレの第1回大統領選に敗れブルドキアシリーズまで島とともに同行するが、望郷の念にかられ帰国。一時、トラヒゲと義兄弟(トラヒゲが兄)になった。
- ライオン王国、国立気象観測所・探知機主任からタムレ共和国初代大統領になった。
[編集] ブルドキアシリーズ
大昔から自分たちを鎖に繋いで奴隷にしてきた人間たちに復讐するという、文化の進んだ犬たちの住む国・ブルドキア。ひょうたん島の人々は命の危険にさらされる。リメイク版では省かれた。
ハンソンは、どこに住んでいない
- 血筋もよく学歴もある、ブルドキアの最高司令官。しかし、どこか抜けており失敗の連続。
- 平然とガバチョを人喰いライオンに食べさせようとしたりする、血も涙もない犬。ダンディとのゴーストタウンの決闘に敗れ、倒された独裁者。
- 長屋に住み男手ひとつで7人の子供を育てながら、ピッツにこきつかわれる刑事。
- 「人間はおとぎ話に出てくるだけの動物か、それとも実際にいるか」をテーマに研究している。ひょうたん島民を実験材料にする。
- テレビで「ハロー・プードル」というレギュラーをもつリッチなスター。歌もうまく、店も経営している。ひょうたん島民をもらいうけ、サーカスを作る。
- 「ブルドキア新聞」の腕利きの記者。ひょうたん島民は人間であるという特ダネをつかむが公表すると殺されてしまう島民に同情し、島民に協力しようとしてピッツに射殺される。
- チワワ教授の秘書。ノラの恋人。
- のんびりした図書館員。
- ブルドキアの生き残りの人間。ひょうたん島民とともに、犬と戦おうとする。
- ブルドキアの生き残りの人間。あくまで人間であることを隠し通そうとする。
[編集] 海賊シリーズ
キャプテン・キッドの宝を探しに4人の名うての海賊たちがひょうたん島に上陸する。宝の隠し場所を示す暗号の歌をもとに、博士を中心とするひょうたん島住人たちと海賊が宝の発見を巡って丁々発止の戦い。キッドの宝は、実はキッドの一人息子・リトルキッドだった。海賊たちはひょうたん島の住人になる。
- 4人の海賊がひょうたん島に上陸することを知らせる手紙をひょうたん島に持ってきた郵便配達人。ひょうたん島を10年間探し続け、やっと見つけ手紙を100円札と引き換えに(手紙には切手が貼られていなかったから)ガバチョに渡した。
- 元貴族の海賊。海賊友の会の理事。上品な言葉づかいだが怒ると怖く、右腕の義手(リメイク版では左腕に)にはマシンガンが仕組まれている。
- 元馬賊の海賊。海賊友の会の補欠理事。武器は青竜刀。「ラーメンの一つ覚え」で三度の食事はみんなラーメン。海賊学校で子供達にヴァイキングについて教えようとするも、逆に博士に教えられる。
- ヤッホー(谷幹一(雨森雅司))
- 元山賊の海賊。海賊友の会の補欠理事。元山賊のため、海には弱く船酔いをする。
- 元人足の海賊。海賊友の会の補欠理事。力は強いが頭は弱く、自分が何を言っているかわからなくなる時もある。
- 4海賊を捕まえにやって来たが、既に定年退職後で、宝目当てだった。その後も何らかの役で登場する。
- アホウドリの王様。自称は「アホウのホウスケ33世」。
- ホウスケの従者。
[編集] 魔女リカシリーズ
ひょうたん島にやってきた魔女リカが、フランスの怪盗クッペパンと共に騒動を巻き起こす。
- キッド坊やが魔女の岩を3回回ったことでやって来た。飛行手段は掃除機であったり、「魔法の計算機」と呼ばれるもので魔法を使うなど、現代的な魔女。ガラクータ達と結託してひょうたん島の人々を魔法で苦しめる。始祖鳥に変身出来る。自分の美しさに絶対の自信を持っており、自分より美しいサンデー先生を激しく憎む。一旦退散するも、ランニングホーマー一族シリーズで再登場、サーカス団シリーズまで登場した。
[編集] マジョリタンシリーズ
魔女リカの出身地でもあったグレート・マジョリタンで、3人の恐るべき魔女がひょうたん島住人たちを待ち受ける。国王と王子はそれぞれワニと怪物に姿を変えられていたがひょうたん島住人の活躍で魔女たちは滅亡、国王たちは元に戻る。プリンは王子と結婚して当地に残り、レギュラーから外れる。
- グレート・マジョリタンの魔女。ピエロのような姿をしている。ホウキでは無く掃除機を使って空を飛ぶ。彼女たちの心臓はトランプのカード(ハート。魔女リカも同様)であり、死ぬと蛙になってしまう。
- グレート・マジョリタンの魔女。蜂のような姿をしており、ペラペラとしゃべるためパトラにいつも叱られている。
- グレート・マジョリタンの魔女。普段はマイペースな美少女だが、能の般若面のような怖い顔になることがある。
- 魔女たちの部下で、彼女たちにこき使われていた。正体は王子。
[編集] 南ドコニカシリーズ
アンカ山の秘宝(打出の小槌)を巡って、ひょうたん島とゼロが騒動を起こす。
- ハリウッドの売れない脚本家。いい台本を送っても会社の方針が変わって不採用となる。どんな事件の最中でも、ギャグやストーリーをタイプでメモする。
- 全世界召使連盟会長。ネズミの国を作ろうと、アンカの宝探しを企む。
[編集] ランニングホーマー一族シリーズ
世界一の富豪C・S・ランニングホーマーとその娘のマリー、親戚で名門イギリス貴族のドビン・ポット夫人がひょうたん島に来てドビン・ポット夫人と海賊ガラクータは先祖の遺恨を巡って一触即発の危機。以後、マリーがレギュラーに加わる。
- マリーの父。野球選手希望だったが、ボールの当たった所から石油が噴き出して大富豪に。石油が止まって破産しても島で温泉を見つけ、帰った後に劇団を作って大当たりするも、興行主に金を持ち逃げ、その後は金を掘り当てるというラッキーな男。
[編集] アンコロピン王国シリーズ
かつてカラコロリン島にあった国をクジラに飲まれ、潜水艦でさまよっているうち、4海賊と結託してひょうたん島に王国を再建させようとする。
- アンコロピン王国の国王。
- 国王の家臣。
- アンコロピンただ1人の国民。鯛焼きの職人。
[編集] サーカス団シリーズ
このシリーズを最後に4海賊は去る。またガバチョが団長の罠にかかって、一時的に飛ばされることに。
- ウーステッド・ギャバジン団長(加藤武)
- ひょうたん島民をサーカス団員にさせようとするが、実は島民をチーターに売り渡し、引き替えに猛獣の子供をもらってサーカス団を結成しようとしていた。最後は4海賊の変装したトドダドに襲われて逃げる。
[編集] クレタモラッタ島シリーズ
[編集] グッバイジョウシリーズ
天才泥棒・グッバイジョウとひょうたん島民との関わり合い。なおこのシリーズは、ポストリアシリーズ継続中に再放送される。
- 着ている服を盗まれても気付かないほどのテクを持つ泥棒。最後は博士製の「盗みが嫌いになる薬」で更生。
- ジョウの更生を認めない、国際警察巡査部長。
- ジョウの盗品で商売をしている月賦屋。
[編集] アルカジル王国シリーズ
砂漠の国で、アルカジル王が12時に寝ないと、王はラクダ、国民は魚に変えられる呪いを受けていた(先祖のアルカジル一世が夜更かしをしすぎたのが原因)。なおリメイク版では「アラビアンナイト」と改名され、マリーのパートはプリンになり、オッサンは未登場となる。
なぜフィンセント·ファン·ゴッホは、彼の耳を切り落とした
- アルカジル王国の王。怒ると「首をはねよ!」と言うのが癖。
- アルカジル王の4家来の隊長。
- 4家来の一人で従卒。
- 4家来の一人で床屋。
- 4家来の一人で会計士。口癖は「いいじゃなァい」「どったの?」(声を演じたタックのギャグ)。4家来は王からの給料を貯めて世界一周を夢見ていたが、トラ・ガバに「視聴者は世界一周」(費用は自前)と騙されてテレビを買い、金を失って自殺するが、最後は元に。
- アルカジル王国の王女。10年前風邪で死ぬが、最後は博士の力で生き返る。
- 竹から出てきた火のお化け。しかしキッド坊やに水が弱いということがバレ、子供達やトラヒゲにこき使われることになる。最後は逃げ出して、川に投身自殺(?)をする。
- ためきばやしはらつづみえもん(内山森彦)
- 「お化けの国」の大統領。先祖は「カチカチ山」のタヌキ。人間に復讐せんと様々な陰謀を企てる。最後はガバチョと腹鼓合戦の末、謝罪。
[編集] ウクレレマン・ダンシリーズ
「あくま島」に乗ってやって来た、人工卵を産むロボットニワトリを作り、ニワトリの解放を狙うデ・ペソと、人工卵を独占販売しようと企むウクレレマン・ダン一味との戦い。人工卵とは、殻は魚の骨のカルシウム、白身はトコロテン、黄身はきな粉で出来ており、博士のデータによると、1個につき、0.0001cal、ビタミンAと鉄分が共に0.00003g、ビタミンB1&B2無し、Cはごく僅か、灰分5g、水分99%。
- 3人組のギャング団のボス。実はペーパーバックを呼んで教養をつけたゴリラ。キッドを傀儡の大統領に付けるなどの金稼ぎテクを駆使する。最後はネンネの裏切りで爆死、いいことをすべく生き返り、整形手術の末「新聞事情見学世界漫遊武者修行」に出る。
- ダンお抱えの科学者で、イモチュセツ農大・家畜学部・ニワトリ学科主任教授。世界のニワトリを解放すべく、ロボットニワトリを作ろうとする。叫ぶ錠前・ダンの自動背中洗い機・ニワトリおびき寄せ機(ガバの「ニワトリこちゃこ〜」の声を改良したもの)などといった発明品がある。
- ダンの部下。本名:ドタマポンチ・ドコンジョ。ダンディをいたぶるなどやりたい放題だが、最後は母アンナの愛に応え、ダン・アノネと共に卵型爆弾(博士が人工卵を改造して作った)で爆死、そのまま生き返らなかった。
- ダンの部下で、ネンネの弟分。ダンと共に死ぬも生き返り、デ・ペソの部下になる。
- ドタマ(ネンネ)の母。ドタマは「マンマ」と呼ぶ。家出したドタマとその兄イカレポンチを探していた。窮地にも負けず、ダンにもつっぱった肝っ玉母。
- 双方とも、ドコンジョの金目当てに来島したニセモノ。
[編集] カンカン王国シリーズ
このシリーズでマリーが父に代わり仕事をするため、レギュラーを降板する。
[編集] ポストリアシリーズ
[編集] ガン・マンシリーズ
[編集] ドクター・ストップ
[編集] キャプテン・キッドの休日
[編集] リメイク版
[編集] 海賊の巻
※海賊4人は「アラビアンナイトの巻」は出演せず。()内は「魔女リカの巻」での代役。
[編集] アラビアンナイトの巻
- 隊長ハッサン(内海賢二)
- 従卒タクサン(高松しげお。オリジナル当時の芸名は、晴乃タック)
- 従卒ケッサン(槐柳二)
- たぬきばやしはらつづみえもん(永井一郎)
- シェラザード姫(高見知佳)
- アル・カジル王(北村和夫)
[編集] グレート・マジョリタンの巻
15分×72回のオリジナルをリメイク版では40分×4本という、大幅に短縮された形にしなければならなかったため、演出の雪はシナリオの手直しに苦慮したという。他にも雪はリメイクのたびに削られる制作費に泣く羽目になり、冗談交じりにひとみ座に「VTRそっちに頼めない?」とまで言ったことがある。
- 『ルパン三世』の声で知られる山田康雄にオファーしたが、丁重に断られたという。
[編集] ドクター・ストップの巻
[編集] 魔女リカの巻
[編集] オリジナル版の放送データ
[編集] スタッフ
[編集] 放送期間・時間
[編集] レギュラー放送
- オープニング~ライオン王国シリーズ(第1~50回)
- ブルドキアシリーズ(第51~130回)
- 海賊シリーズ(第131~178回)
- 魔女リカシリーズ(第179~251回)
- マジョリタンシリーズ(第252~339回)
- 南ドコニカシリーズ(第340~427回)
- ランニングホーマー一族シリーズ(第428~516回)
- アンコロピン王国シリーズ(第517~586回)
- サーカス団シリーズ(第587~625回)
- クレタモラッタ島シリーズ(第626~688回)
- グッバイジョウシリーズ(第689~751回)
- アル・カジル王国(アラビアンナイト)シリーズ(第752~823回)
- ウクレレマン・ダンシリーズ(第824~932回)
- カンカン王国シリーズ(第933~1014回)
- ポストリアシリーズ(第1015~1139回)
- ガンマンシリーズ~エンディング(第1140~1224回)
[編集] 特番
なお、高校野球延長・東京オリンピック中継・国会中継・ユニバシアード中継・臨時ニュース(日韓交渉・吉田茂国葬・日米首脳会談)などで合計35回「放送休止」あり。
[編集] 現存している回
当時ビデオテープ(2インチVTR)は非常に高価かつ大型であり、収録された映像は放送終了後に消去されて他の番組に使い回されたため、現存しているのは以下の回だけである。また、当時は全回カラー放送ではあったが、カラーで残っているのは第829回と第881回のみである。2003年1月28日に発売されたDVD『NHK人形劇クロニクルシリーズVol.2 劇団ひとみ座の世界〜ひょっこりひょうたん島〜』に第710回を除く7回分が、同年3月21日に発売された『NHK人形劇クロニクルシリーズVol.5 新諸国物語 笛吹童子 ひとみ座の世界2』に第710回が収録された。
- 1966年6月13日 第547回 火事 その1
- 1966年6月14日 第548回 火事 その2
- 1966年10月28日 第644回 地球最後の日 その5
- 1966年11月4日 第649回 地球最後の日 その10
- 1966年11月7日 第650回 夜をまとうよ(この回のみガバチョが「夜をまとうよ」を歌った)
- 1967年2月2日 第710回 ひょうたん大捕物
- 1967年7月31日 第829回 ドクトル・デ・ペソ その1
- 1967年10月16日 第881回 母子再会 その1
[編集] 劇場版
「ブルドギアシリーズ」をアニメ化、主題歌及びキャストはオリジナルを踏襲している[1]。しかし、オリジナル版とは次のような相違点がある。
ボブはどうですか?
- マリー・キッド・ライオンが最初からいる。逆にプリン・ムマモメム・しゅう長・4海賊がいない。
- ブルドギアで登場するのは、ブル・ピッツ・ダックス・ノラ・兵士のみ。人間はいない。
- ひょうたん岬が壊れた方は火山側(オリジナル版は逆)。
- ダンディはオリジナル版では自分がギャングであることを隠すため付け髭をつけていたが、アニメ版では付けていない。
- ダックスは直立している。さらに7匹の息子はいない。
- トラヒゲが「トラヒゲデパート」を出している(オリジナル版はこれより後の「南ドコニカシリーズ」より開業)。
- ガバチョがニワトリの扮装で時の声を上げるシーンがある(オリジナル版はこれより後の「マジョリタンシリーズ」より)。
- オリジナル版のピッツはノラを平気で射殺する冷酷なキャラクターだったが、アニメ版は兵士を脅したりするシーンはあっても、射殺するシーンは無い。
- ブルドギアの秘密兵器「入れ歯ミサイル」は、アニメ版ではただ噛み付くのみなのに対し、オリジナル版では噛み付かれると死ぬまで笑い続けるという設定があった。
- ひょうたん島の着岸と離岸に関しては、オリジナル版ではブルドギア湾に着岸し、ムマモメムにビタミン注射されたクジラに引っ張られて離岸しているのに対し、アニメ版はブルドギア沖の海上で静止し、ピッツとの決着後に何も行われずに離岸している(オリジナルのひょうたん島はある場所にぶつからない限り止まらず、あることをしない限り離岸しない)。
単発の作品のため、冒頭にダイジェストでテレビ版の内容(ひょうたん島漂流、テレビからのガバチョ登場など)が語られた。当時の東映長編アニメーションでは設定画と併用して動作確認のために立体キャラクター(以下人形)の製作・使用が基本とされていたが、本作では放送で使用した人形が用いられた。現存するとみられるひょうたん島関連映像で唯一ソフト化されていない。
テレビ版が性質上再放送が望めない作品であるため、このアニメ版のテレビ放映(1970年代中頃にフジテレビの関東ローカル番組『土曜邦画劇場』でオンエアされたことがある)が初見という世代もあった。
[編集] 製作秘話
- 原作者の一人である井上ひさしは2000年9月の山形県川西町・遅筆堂文庫生活者大学校「ひょっこりひょうたん島」講座で、制作当時から秘密にしていたこととして、以下の2点を明かした。
- 井上ともう一人の原作者である山元護久、そして担当ディレクターの3人が、ともに両親に頼ることのできない子供時代を送ったことから、「親」を登場させなかった。
- 物語の場において発生しうる食糧危機という現実的な問題を回避し、子供たちの親や大人に絶望したうえでもつ明るさを描くユートピアとするため、登場人物をすべて「死んだ子どもたち」として物語を作っており、サンデーと5人のこどもたちは最初にひょうたん島に遠足に行ったときの火山の噴火に巻き込まれて既に死亡した設定になっている。劇中に「御詠歌」や「四国霊場物語」が登場するのも、「死者の物語」の設定ゆえである。
- 井上ひさしは『ひょっこりひょうたん島』の着想を、北杜夫の童話『船乗りクプクプの冒険』から得たことを、角川文庫版『船乗りクプクプの冒険』の解説で述べている。
- ひょうたん島のモデルは、岩手県大槌町沖の蓬莱(ほうらい)島[2]、またはグアム島のオンワードホテル前にある無人島のアルパット島と言われている。
- ガバチョがトラヒゲを「トラどん」と呼んでいたのは藤村がアドリブで言ったところ、スタッフに受けたため定着した。また、ガバチョのつぶやき声「ブフ・ブハ」も誤植に由来するとのことである[3]。藤村は、元々台本をよく読まないまま収録に臨み、途中で話を読み間違え、アドリブで何とか話の辻褄を合わせることがよくあったという。他にも声優のアドリブが徐々にセリフに反映されていった。ガバチョの笑い方が「ハタハッハ」になったのも、「ハッハッハ」が「ハタハッハ」と誤植されているのを藤村がそのまま読んだためである。また、ダンディをダアさんと呼んだりするのも藤村によるアドリブ。
- 郵便局員がネコババをするというストーリーが、NHKの監督官庁である郵政省の逆鱗に触れ、突然放送が打ち切られたと言われている[4]。最終回は、エンディングの第2テーマである主題歌が短調で歌われる、物悲しいエンディングであった。
[編集] リメイク版の放送データ
[編集] スタッフ
- 原作:井上ひさし、山元護久
- アニメーション:久里洋二
- 人形劇:ひとみ座
- 人形デザイン:片岡昌(以上オリジナル版と共通)
- ディレクター:雪正一(オリジナル版では演出を担当)
- 共同制作:NHKエンタープライズ
- 資料提供:伊藤悟
[編集] レギュラー放送
- 海賊の巻(1991年4月26日~5月12日(5月10日は放送無し、12日に2回分放送)、全17回、衛星第2、19:30~20:00)
- アラビアンナイトの巻(1991年12月24日~1992年1月15日(12月30日~1月1日と10日は放送無し)、全19回、衛星第2、19:30~20:00)
- グレートマジョリタンの巻(1992年12月21日~1993年1月10日(1月1日は放送無し)、全20回、衛星第2、18:00~18:50)
- 本シリーズは「衛星アニメ劇場」枠での放送のため本編と人形紹介、トラヒゲの名曲アルバム、子供たちの描いた絵の紹介が行われた。また、第1回と第20回に伊藤がゲスト出演した。
- ドクター・ストップの巻(1993年10月3日、全1回、ハイビジョン試験放送、17:00~18:00)
- 魔女リカの巻(1996年4月29日~5月2日、全4回、ハイビジョン実用化試験放送、11:00~11:40)
タイトル | 放送日 | 局 | 放送時間 |
---|---|---|---|
海賊の巻 | 1991年11月25日~12月17日 | 総合 | 月~金17:05-17:35 |
アラビアンナイトの巻 | 1993年4月6日~8月10日 | 教育 | 毎週火18:30-19:00 |
グレートマジョリタンの巻 | 1993年8月17日~12月28日 |
[編集] 特番(人間レコードの巻)
2003年2月1日 17:00-18:00(総合/BShi)「あなたとともに50年 今日はテレビの誕生日 人形劇・大集合」内で放送、オリジナル版放送終了以来34年ぶりの新作。魔女パトラの声が鈴木光枝から田中真弓に変更されている。ストーリーは未完であるが、仮に制作される場合、名古屋章と小林恭治と滝口順平は亡くなっているため、ドン・ガバチョとダンディとライオンの声優は変えなければならない。井上ひさしも2010年4月9日に逝去したため、今後の製作時期は不明。
[編集] アンコール放送
2003年4月13日から1年間、テレビ放送50周年記念の一環として、毎週日曜日19:25~19:55に教育テレビで「アンコール放送」という形で再放送。ただし、「ドクター・ストップの巻」「魔女リカの巻」は放送されていない。また最終日は通常枠の後、20:00~23:00に特別枠が設けられ通常枠で放送しきれなかった6回分を一挙に放送した。2008年4月4日よりチャンネル銀河で海賊の巻から再放映開始。
[編集] 製作秘話
- 元々オリジナル版で使用された人形は損傷が激しく、番組終了後破棄されたが、NHKの倉庫で予備の人形が発見され、リメイクの企画が持ち上がった。オリジナル版の映像やシナリオは大部分が失われていたが(台本は4分の1が散逸、映像は前述通り8話分のみ現存)、オリジナル版の視聴者である伊藤が書きとめたセリフ、セットなどのデータを基に復活することができた。伊藤が記録していた「ライオン王国シリーズ」の3週目[5]からガンマンシリーズ~エンディング(最終回)は、NHKにも映像の保存がほとんどないものばかりであった。[6]
- 人形が改良されたほか(オリジナル版の頃発注していた製造元が倒産していたり、また素材面などに於いて技術の向上による)、内容が大幅に編集・縮小され1回の放送時間も30分になった。
- 作曲の宇野は「過去をひきずるのはよくないだろう」と、オリジナル終了後に楽譜を全部捨ててしまったため、リメイクのサントラはほぼ新たに書き起こされたもの。
- オープニングなどはアニメーターの久里が個人的に保存していたフィルムを利用した。ただし1997年におきたポケモンショックの影響により、一部の映像が、修正されている。
- またオープニングの別バージョン(きわめて初期に使われたバージョン)はDVD「ドクターストップ/人間レコードの巻」に収録された。
前川陽子とひばり児童合唱団が歌った主題歌「ひょっこりひょうたん島」(作詞:井上ひさし、山元護久/作・編曲:宇野誠一郎)の初出音盤は、1964年9月24日に朝日ソノラマから発売された「ひょっこりひょうたん島 わんわん騒動」である。1965年頃、新ヴァージョン(便宜上、「OP2」とする)[7]も発売された。
その後、多くの歌手(ザ・フォーク・クルセダーズ、モーニング娘。(モーニング娘。のひょっこりひょうたん島)、GO!GO!7188、今沢カゲロウ(インストゥルメンタル)ほか)にカヴァーされており、前川もセルフカヴァーしている。
[編集] CD
以下は、前川陽子の歌唱によるオリジナル主題歌あるいはセルフカヴァー版が収録されているCDである。他の歌手によるカヴァー版については、それぞれの項目を参照。
[編集] 番組サウンドトラック
- 「ひょっこりひょうたん島 復刻版I」(NCD-102)
- 1991年12月16日発売。リメイク版を音源とするダイジェストCD。一部、旧音源も用いられている。
- 「ひょっこりひょうたん島 復刻版II 海賊キッドの宝の巻」(BCCM-0016)
- 1992年4月21日発売。内容は「復刻版I」とほぼ同じだが、収録曲が減っており、その分ドラマが収録されている。
- 「ひょっこりひょうたん島 ヒット・ソング・コレクション(オリジナル版)」(MHCL246~7)
- 2003年4月24日発売。オリジナル版の音源をCD化。2枚組で全60曲。
[編集] 混載盤
- 前川陽子、ひばり児童合唱団
- 「決定版 懐かしのテレビアニメ・特撮主題歌大全集」(VICL-40091~2)
- 1992年11月26日発売。
- 「決定版 懐かしのテレビアニメ主題歌大全集」(VICL-23077)
- 1993年10月27日発売。
- 「MEET THE MEMORY アニメ主題歌グラフィティIII~アイドル伝説~」(VICL-18165)
- 1994年12月1日発売。
- 「懐かしのアニメ主題歌集」(VICL-40155/6)
- 1995年7月12日発売。
- 「懐かしの人形劇テーマ大全」(TOCT-9355)
- 1996年2月21日発売。
- 「懐かしのテレビ主題歌集」(KICW-8005~6)
- 2000年6月7日発売。
- 「朝日ソノラマ主題歌コレクション1」(TOCT-25071~2)
- 2003年6月18日発売。全47トラックのうち、本作からは2ヴァージョンの主題歌(OP1、OP2)と挿入歌(劇中歌)9曲を収録。
- 「前川陽子スーパー・ベスト~キューティーハニー/ひょっこりひょうたん島~」(COCX-33277)
- 2005年7月20日発売。OP1およびラテンジャズ風のセルフカヴァー版を収録。
- 「アニソン100」(TOCT-26175~7)
- 2007年3月7日発売。
- 前川陽子、ヤング・フレッシュ(セルフカヴァー)
- 「テレビまんがでレッツゴー! 最新テレビまんが大行進」(COCC-10718)
- 1993年4月21日発売。
- 「王様のレコード 懐かしのテレビ大行進」(CRCP-20442)
- 2009年12月2日発売。
- 前川陽子ソロ(セルフカヴァー)
- 「前川陽子スーパー・ベスト~キューティーハニー/ひょっこりひょうたん島~」(COCX-33277)
- 2005年7月20日発売。前田憲男によるラテンジャズ風アレンジ。
- 『ひょっこりひょうたん島 なぞのかいぞくせん』(FC、1992年4月25日、ユタカ、アドベンチャーゲーム、6,300円)
- 『ひょっこりひょうたん島 大統領をめざせ!』(MD、1992年8月7日、セガ、ボードゲーム、4,800円)
[編集] 関連書籍
- 伊藤悟『ひょうたん島大漂流記 1964 - 1991』 1991年8月発売 ISBN 4870310988 - 復活までの経緯が書かれている。
- 伊藤悟『ひょっこりひょうたん島熱中ノート』 2000年9月発売 ISBN 4896107993
- 伊藤悟『ひょうたん島から明日が見える』 2003年8月25日発売 ISBN 4835560221
- 筑摩書房からちくま文庫「ひょっこりひょうたん島」全13巻が刊行されている。オリジナル版の台本を書籍化したもので、全50巻の予定がマジョリタンシリーズまでの13巻で中断している。
[編集] 他の作品への派生
- 同じNHK人形劇『プリンプリン物語』でもオサラムームー島へ向かうプリンプリン一行がひょうたん島と出会っており、主題歌も流れた。その時島に住んでいたのはガバチョ1人だけで、彼の言うところでは「他の分野で有名になられた方もいれば、お亡くなりになられた方もいる」とのこと。これは生前の藤村がガバチョの声をあてた最後のケースとなった。同作の最終回でガバチョが言った「またお会いいたしましょう」の言葉はこの客演を意味していたとも解釈できる。なおこの頃のエピソードもビデオテープがNHKに残されていないため、視聴は極めて困難だが、同作品をテープ残留分のみ再放送する際、NHKで特別番組が作られ、劇でなく人形のみだがプリンプリンとガバチョが再会している。
- ガバチョはNHK開局50周年マスコットキャラクターとなり、2003 - 2004年の『NHKプレマップ』などで番組紹介を務めた。声の出演は2003年7月まで名古屋、それ以降は栗田貫一が担当した。
- アニメ映画『おもひでぽろぽろ』の作品内のテレビの中にひょっこりひょうたん島が登場している(開始85分目のあたり)。ガバチョ、トラヒゲ、サンデー、ダンディー、博士が書き下ろしのアニメーションで描かれており使用されている場面のセリフはオリジナル版、第881回「母子再会 その1」のものであるが、ガバチョの格好が実際の映像とは異なる。エンディングの映像とオープニングの映像も書き下ろしのものとなっている。挿入歌は使用されている順に「コケッコソング」、「エンディングテーマ」、「プアボーイ」、「テーマソング」となっており、音源はオリジナル版のものを使用している。
- 本作のオープニングテーマがアニメ『よみがえる空 -RESCUE WINGS-』の第6話「Bright Side of Life(前編)」のオープニングテーマで、第7話「Bright Side of Life(後編)」では劇中歌(主人公達がカラオケで歌う)とエンディングテーマとして特別に使われている。また、第6話冒頭の葬式のシーンにおける故人及び遺族の名字が「井上」となっている。
- 映画『ALWAYS 三丁目の夕日'64』では、予告編でオープニングのシーンが登場している。
- ^ ただしブルとダックスはオリジナル版ではなく、代役の武田国久と雨森雅司がそれぞれ担当した。またマリーはノンクレジットだったが、オリジナル版の松島トモ子が担当したかは不明。
- ^ [岩手県大槌町沖の蓬莱(ほうらい)島 「ひょうたん島」モデルの島、被災アカマツ救え YOMIURI ONLINE 2011年7月10日13時18分 読売新聞]
- ^ NHKの番組での熊倉のコメントによる[要出典]
- ^ 井上によると翌年度も放送継続の話があったが、特定郵便局長会で番組が批判されたことを受けてNHK幹部が動揺し、打ち切りになったと言う。
- ^ ライオンシリーズ終了後の11週目からはセリフもすべて記録
- ^ 上記のように当時ビデオテープ(2インチVTR)は非常に高価で大型であり収録されたほとんどの映像は放送終了後に消去され、他の番組に使い回されていたためである。
- ^ 初期版(OP1)とOP2では前川陽子の声が異なる(OP2の方が成長後の声に近い)。
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